鉄瓶について

鉄瓶

どこかで、耳にしたこと、あるのじゃないでしょうか。


今はじめて「鉄瓶」という言葉を目にする方にとっては

びっくりだと思いますが、

もう400年以上の歴史があるのです。


きっと貴方が生まれるよりずっと前から、

いいえ。

おじいちゃんが生まれるよりも前から、

鉄瓶の歴史は始まっていました。


鉄瓶は鉄で出来ています。

これを鋳物といいます。


昔は、日本全国に鋳物屋さんがありました。


実は一番優秀な鋳物の職人さんが集まっていたのは、

江戸でした。今の東京の、神田駅の近く。

鍛冶町というころが、鋳物のメッカでした。


21世紀の現在、鋳物が一番盛んなのは川口ですが、鉄瓶工房が一番たくさんあるのは岩手県の盛岡市。

次が、岩手県の水沢市。

山形県でも作っています。


写真の鉄瓶は、東京にただ1つ残る鋳物職人のつくる鉄瓶です。 江戸鉄瓶の丸

日の丸の丸です


下の黒い箱

なんと明治時代の後期につくられた火鉢です。



2011年

震災がありました

4年たっても、忘れることはありません。

日々、日常をすごしていても、心の何処かにあの時の記憶、残っています。


その震災のあと

なぜか突然、鉄瓶を欲しいという方が増えました。

ほとんどは日本人です。

勿論中国の方も今はいらっしゃいますが、でももう1年〜3年以上待たないと、買うことが出来ません。


まるで400年前のように、鉄瓶がひっぱりだこになってしまいました。 理由はわからないです。


2011年の、ビフォア・アフターで、全く違います。

僕はあれが、何かのきっかけだった気がしています。


もちろん400年前みたいに各家庭で火鉢、鉄瓶が使われることは絶対にないでしょう。

でも

鉄瓶は、密かにその存在感を増しています。


たぶん、日本人が今、自分達ののアイデンティティに気付き始めたのかなと思っています。


ずっとずっと鉄瓶と火鉢を見続けてきた自分が、

2011年を堺に、何かが大きく変わったのを実感します。


鉄瓶がどんなに人気でも、作れる職人さんは4〜5年修行しても一人前になりません。


だから作れる数は相変わらずちょっと


江戸鉄瓶なんて、月に数個です。


誰か跡継ぎいるといいのですが。


とまあこれが、鉄瓶の現状です。


左の まあるい鉄瓶は、あと2個だけつくったら、制作をやめてしまいます。欲しい方はご連絡ださい。


100年たっても200年たっても使い続けられる鉄瓶。


これは商品ですが、文化がまるっと詰まっているので、だから形はまあるいのです。


日の丸の丸と、400年の歴史がまるっと入った鉄瓶です。